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陸上 中長距離でばてる原因、ばてない練習メニュー

中長距離選手、800mでも1500m、3000m、5000mでも誰しもが経験したことがある、

途中でバテてしまい、悲惨な結果に。。。

私も1500mで最初から突っ込みすぎて死にかけたことがあります。

今回は中長距離でばててしまわないようにする練習法について書きました。

今回の記事でのキーワードはLT値解糖系乳酸です。

前半はどうしてばててしまうのかについて理論的に説明します。後半にばてないための練習法について書きます。

どうして途中でばててしまうのか?

ATPがつくれない

ばててしまう一番の原因はエネルギー不足です。当たり前ですね。

人間も体を動かすためにエネルギーを使います。スマホやそこらへんの機械と全く同じです。

機械は電気からエネルギーを得ていますが、人間はATPから得ています。

これについて詳しいことはこちらに書いてあります。ATPとADPについて スポーツをする上で知っておきたいこと

簡単に説明するとATPという物質からADPという物質に分解する際にエネルギーが発生します。このエネルギーを使って人間は活動できています

このエネルギーが足りなくなる、つまり原料であるATPが足りないのです。

では運動しているとき原料であるATPはどのように補充されているのか?

これは色々な方法で作っています(再合成している)。ATPを分解する際にできたADPをATPに再合成させています。

人間の体は意外とリサイクルですね。ごみをもう一度燃料にしているのです。

ATPの合成方法は3つ

この再合成の方法は主に3つあります。サイトによっては分け方が違いますが基本は以下の感じです。

  1. ATP-CP系
  2. 解糖系
  3. 有酸素系

これらの違いについては別の記事で書きます。

大まかに説明すると1が原子力発電、2が火力発電、3が太陽光発電みたいな感じです。

1.ATP-CP系

1のATP-CP系はごくわずかな時間しか行えません(10秒以下)。ですが、短い時間でATPを再合成してくれます。100mの時に最も行われています。

原子力発電並みにすごいです。

2.解糖系

2の解糖系は、ATP-CP系よりは長い時間行えます(1~2分程度)。ただし、ATP-CP系よりATPを速く作ることができません。400mや800mの時に最も行われています。

火力発電くらいです。

3.有酸素系

3の有酸素系です。名前から分かるように酸素を必要とします。有酸素系は短い時間ではたくさんのATPを合成できませんが、とても長い時間ATPを作ってくれます。ジョギングやランニング時に最も行われています。

太陽光発電です。

ここで注意してほしいのが、どの方法も同時に行われています。人が活動しているとき3つとも行われています。

運動強度によって偏りが変わります。100mのときはATP-CP系が一番おこなわれています。ジョギングのときには有酸素系が一番行わています。

ここまでのまとめ

ばてる原因はエネルギー不足

エネルギー源はATP

ATPを作る方法は3種類ある。
ATP-CP系、解糖系、有酸素系の順に長く少量をつくりだす。

 

ATPをつくるスピードが遅くなる

この記事でカギとなるのが解糖系有酸素系です。

800mや1500m、5000mでは解糖系が一番行われています。

解糖系は筋肉内のグリコーゲンがピルビン酸になるときにATPを作ります。このATPを使い走ることが出来ます。

途中でばててしまうのはATPをつくる解糖系のスピードが遅くなるからです

どうして遅くなるのか?

遅くなる原因

グリコーゲン不足と思ったかもしれません。私も以前まではそう思っていました。ですが、違います。

グリコーゲンは1000m、3000m走っただけで不足するほど少なくはありません。ご飯を全く食べていないならあり得るかもしれません。

ですが、グリコーゲンは不足していません。

ではなぜATPを作るスピードが遅くなるのでしょうか?これは乳酸が関係します。

解糖系では糖を分解してエネルギーを得る際に乳酸が作られます。乳酸がたまってくると、乳酸が水中にとけ血液が酸性にかたむきます。

解糖系では酵素が働いています。酵素はATPの再合成をするのを手助けしてくれるものです。

この酵素ですが、弱アルカリ性で一番働いてくれます。酸性にかたむいてしまうと働きが弱まります

そのため、ATPの再合成のスピードが遅くなります

ちなみにこの時をLT値といいます。LT値とは乳酸性代謝閾値です。

簡単に言うと乳酸が血液に占める割合が急激に増え始め、力が出せなくなることです

逆に言うとこのLT値が良いと、なかなか疲れてこない、ばててこないということです。

マラソン選手はこのLT値が良いです(LT値のペースが速いです)。

ばてないためにはLT値を向上させる必要があります。

どのように向上させるのか?

LT値を向上させる2つの方法

主に2つあります。

  1. LT値付近でトレーニングをする
  2. jogをする

LT値付近でトレーニング

LT値付近でトレーニングすることでLT値は向上します。

自分のLT値がどのくらいかはおおよそ自分の5000mの1キロのペースに+15秒したくらいです。1500mなら1キロのペースに+40秒くらいです。

自分のLT値のペースは20分~40分ほど走ってちょうど疲れてくるくらいです。20分もたたずにへばってしまったらそれはLT値のペースよりも速いです。

LT値のペースはその日の体調によっても少し変わってきます。自分のちょうどよいペースを探しましょう。

このLT値のペースで8キロくらいまで走りましょう。ペース走です。もしかするともこれより遅いペースでペース走をやっていた人がいるかもしれません。

私もおっそいペースでしていた人です。おっそいペースでしても大して効果はないです。

やるならLT値のペースでペース走をしましょう。

jogをする

LT値を向上させるもう一つがjogです。

jogがなぜ向上させるかですが、乳酸はミトコンドリア内でATPに再合成されます。これは先ほど紹介した3つあるうちの有酸素系です。

つまり有酸素系の能力を高めれば乳酸をはやく処理してくれます

有酸素系をどのように高めるかがポイントです。

有酸素系は名前の通り酸素を使います。酸素が多くあればあるほどATPに再合成してくれます。酸素を多くいきわたらせるようにするために毛細血管を増やします

毛細血管を増やすにはジョグが一番効果的です。

ここまでのまとめ

解糖系が多くなり乳酸がたまる。酵素の働きが弱まり、ATPの再合成スピードが落ちる

LT値のペースを超えると急激に疲れる(ばてる)

LT値は向上できる

これを理解したうえで練習メニューについて書きます。

ばてない練習メニュー

ペース走(テンポ走)

LT値付近で20分以上走る練習です。このとき大事なのが、決められたペースで走ることです

せっかくLT値で走っているのにペースを上げたらすぐにきつくなります。これでは練習の意味がないです。

とりあえず最初はだいたいのLT値のペースで走りましょう。もしそれで楽に感じたら少しペースを速めるか距離を長くしましょう。

LT値のペースは20~40分くらい走ったらちょうど疲れてくるくらいのペースです。

大体のペースは5000mの1キロのペースに+15秒、1500mなら1キロのペースに+40秒くらいです。

5000mが16分30秒のタイムなら1キロ3分18秒なので3分33秒くらい。まあ3分35秒でいいと思います。

1500mが4分30秒なら1キロ3分00なので、3分40秒くらいです。

一度これで20~30分くらいのペース走をしましょう。最初は20分でいいと思います。

もしこれで快適なつらさならこのまま練習を続け、途中でペースが落ちたなら少しペースを遅くしてみましょう。

次にjog(LSD)

jogというよりはLSDの方が分かり易いと思います。

LSDとは会話できるくらいのゆっくりのペースで走ることです。時間は60分くらいでしょう。

LSDのメリットはまず毛細血管の発達です。毛細血管が発達すれば酸素のいきわたる量も増えます。また、LSDは脂肪の燃焼にも役に立ちます。

有酸素系は脂肪を燃やしてエネルギーを作り出します。体重が軽くなればタイムが伸びるのは当たり前ですね。

注意:体重が軽くなるといっても筋肉を落としてはいけません。筋肉量は維持しながら脂肪をなくすのが大切です。

あとはリラックスにもなります。

まとめ

ばてないためにはLT値を向上させる

そのためにテンポ走を取り入れる。LSDも取り入れると毛細血管が発達する。